住宅用地利用に関する規制と住宅価格の相関性
土地利用に関する規制の厳しさと住宅価格に相関性が見られるという調査が発表されました。カナダ住宅金融公社(CMHC)と統計カナダの調査によれば、メトロバンクーバーとグレータートロントエリアが最も住宅用地利用規制が厳しく、住宅価格も高い傾向にあるそうです(元記事は下記リンク)。
記事によると、住宅用地利用規制の厳しさと住宅価格の関連性は次のように説明されます。
住宅用地利用規制が厳しい地域は住宅建設関係の承認プロセスが長い傾向にあり、特にトロントやバンクーバーといった住宅バブルの起きている都市は住宅価格が手頃な都市に比べてプロセスに4倍も時間がかかるそうです。承認プロセスが遅れるということは、建築開始にも遅れが生じ、よって供給スピードが需要に追い付かず、住宅価格が上昇する原因になっていると記事では述べられています。
供給が需要に追いついていないのは他にも色々な原因があると思います。移民の継続的な増加は需要が増えている大きな要因ですし、金利の上昇や資材の高騰による資金難からのコンドミニアムの建設ストップ、遅延は供給の低下の大きな要因です。
その中で建築承認のプロセスの遅延も大きな要因の一つでしょう。承認の遅れによって住宅供給が遅れ、さらには承認を待っている間の資材価格の上昇によって建築コストも上昇、よって更なる住宅供給量の低下という悪循環に陥っている可能性もあります。承認作業をしっかりやることは安全な建築においてとても大切なことですが、よりプロセスの効率化などを図ってトロントやバンクーバーの建築承認プロセスの速度が他の都市並になることが望まれます。実際にバンクーバー市は新しいシステムを導入し承認プロセスの迅速化に向けて動いていますので、それがカナダ全土で実現することが望ましいと思います。