バンクーバーの不動産ニュース

カナダ、メトロバンクーバーの不動産ニュースについて面白いと思ったものを取り上げます。

カナダ中銀、金利を5%に引き上げ

本日7月12日、カナダ政府は政策金利を発表しました。市場の予想通りの利上げとなり、前回の4.75%から25ベーシスポイント引き上げで、2001年4月以来初めて5%に達しました(元記事は下記リンク)。

 

www.cbc.ca

 

労働市場調査によると2023年6月は6万人の雇用が追加されて経済が過熱したため、経済学者は利上げを予想していました。

 

カナダ中銀のコメント:「エネルギー価格の低下と物価の下落により、世界的なインフレは緩和しつつある。しかし、堅調な需要と雇用の大幅な増加により、サービス業に持続的なインフレ圧力が生じている」

 

利上げをすることで個人消費の抑制を狙っているものの、人口増加による「超過需要」が続いており抑制効果を妨げています。特に移民による人口急増が雇用、支出、住宅需要の増加に寄与しているといえます。

 

カナダのインフレ率は5月までに3.4%と、昨夏の8.1%から下落していますが、食品価格の上昇は依然としてインフレを上回っており、2021年後半からこの傾向が続いています。

 

今回の利上げにより、明日から変動金利ローンの支払いが増えることが予想され、住宅ローン保持者にとってより苦しい状況が続くことになるでしょう。記事中の変動金利ローン保持者の女性は「家を売ることを何度も考えたが、無事に売却できたとしてどこに行けばいいのか」と答えています。現在の家を売ったとしてもバンクーバー市とその周辺の都市の不動産は上昇を続けており、次の家を購入するにしても結局高い住宅価格と高い金利を支払う必要があります。よって現在の住宅を売却したところで問題が完全に解決するとは限らず堂々巡りになってしまう可能性は高いのです。

 

この状況下であるにもかかわらず、9月に再度利上げが予想されています。住宅ローン保持者の方は再度の利上げに備えてモーゲージプロフェッショナルやファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのも一つの手かもしれません。