バンクーバーの不動産ニュース

カナダ、メトロバンクーバーの不動産ニュースについて面白いと思ったものを取り上げます。

プレセール物件の売れ行きが好調

プレセール物件の6月の売れ行きが好調だったというレポートです。

6月は1,800のプレセール物件が発売され、プレセール物件売却数➗プレセール物件在庫数は35%に達しました。(記事は下記リンク)

mlacanada.com

 

プレセールとは、新築のコンドミニアムなどを物件が完成する数年前に購入することで、一般的には完成してから購入するより安く購入することができます。ですのでキャピタルゲイン(売買差益)を狙えるため投資物件としても人気が高い一方、数年先完成予定の物件を購入するというのはリスクも付きまといます。

 

例えば物件購入の契約時には高給取りで財政的に安定していたものの、数年後の物件完成時、つまりローンを組まなければならない時期に失業などで財政状況が悪化してしまった場合、ローンが組めずに物件購入をあきらめなければならない可能性が高くなります。しかもそれだけではなく、数年前の契約時に支払ったデポジット(物件価格の5%ー20%)は物件購入をキャンセルしても返金されないため、結構な金額を失うことになります。

 

現在カナダは高金利ですので希望する金額のローンが組みにくくなっています。そういう状況下で、今年完成するプレセール物件を数年前に購入した購入者の中には、ローンを組むのを避けるために完成する前に第三者に売却する”アサインメント”と呼ばれる取引を希望する人もいます。物件が完成する前にアサインメントで無事に第三者に売却できれば、ローンを申請することもなく物件を手放すことができ、運が良ければ売却益も得られることができます。例えば物件価格が50万ドルだったとしてアサインメントで60万ドルで売却できれば、10万ドルの売却益が得られます。(手数料、税金などは無視しています。)しかし、アサインメントで50万の物件が40万でしか売れなかった場合、10万ドルの損失です。

 

プレセール物件のリスクが高いところは、数年後の自分自身の財政状況と不動産価格市場が不確実な中で、両者とも安定していると仮定して不動産という大きい買い物をしてしまうという点にあると思います。

 

6月はプレセール物件の売れ行きが好調でしたが、購入者の中には数年後の金利の下落を前提に購入している人もいるかもしれません。市場や経済学者の方々の予想も大方、数年後の金利低下で一致していますが、予想は予想であり必ず当たるとは限りません。プレセールのリスクも熟知してからの購入が大事かと思います。