バンクーバーの不動産ニュース

カナダ、メトロバンクーバーの不動産ニュースについて面白いと思ったものを取り上げます。

BC州の外国人購入者税に対する異議申し立て、却下される

ウェストバンクーバーの6.6ミリオンドル(約6.6億円)の住宅を購入したイラン人の亡命希望者が、外国人購入者税は違憲であると訴えました。彼は、外国人購入者税は自由と経済的安全保障、および憲法に基づく平等の権利を妨げると主張しています。BC州最高裁判所のジェフリー・ゴメリ判事は、原告の主張、特に差別に関する主張を却下しました。
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BC州の外国人購入者税は2017年に導入されました。カナダ市民か永住権保持者以外の者がカナダの不動産を取得する際、不動産価格の20%の税を追加で支払うという法律です。導入された経緯として、外国人投資家による不動産購入の結果、BC州の不動産は一部の地元民には手の届かない程高額になってしまったことを受けて外国資本の流入を抑制する目的で導入されました。この税金を導入しても外国人購入者は止まらず、2023年からの2年間は外国人の不動産購入は禁止されています。

 

記事内の原告は2019年に不動産を購入していますが、カナダでの当時のステータスが”難民”であり、市民や永住権保持者ではありませんでした。その事実によって外国人購入者税を課されたことに対し、憲法上約束された平等の概念が侵されていると訴えています。つまりこの税が外国人への差別であると主張しているのです。

 

同様の主張をする投資家は他にもいて裁判になったケースもありますが訴えは却下されています。また外国人購入者で不動産仲介業者や購入に携わった弁護士からこの税についてきちんと説明を受けてなかった外国人購入者が不動産仲介業者や弁護士を訴えたケースでは、仲介業者と弁護士がこの税金の大部分を購入者に代わって負担する判決が出ています。

 

ところでこの税を導入後もBC州の不動産価格は上昇し続けていて今バンクーバーの新築1LDKのマンションが一億したりするので、もしこの税が導入されてなかったらバンクーバーの不動産価格はどうなっていたかと思うと恐ろしいですね。